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もう一つのフットボール

あなたには全てを賭けて打ち込めるものがありますか?

見解の相違。

僕が通っていた高校には体育の授業で1年次2年次の2学期に
楕円のボールを使うあのスポーツの授業があって
2学期の終わり頃に行われる冬の球技大会では
1年2年合同のトーナメント形式の試合が行われた。
それほど広くなかった運動場を2面に使って行われるその球技大会は
コートの広さも試合時間も、なんちゃってな感じは否めなかったが
ノックアウト方式
一回戦で負けちまえばとっとと帰宅できるシステムは
多くの生徒にとても好評だった。

僕が一年の時のクラスの体育委員だったI君は
けっこう熱血タイプのナイスガイで
「何でウチの学校にいるんだ?」
と聞きたくて聞けなかったくらいの子だったのだが
その試合に向けたポジション決めで
「Kは元サッカー部でFWしてたらしいからスピードと突破を期待してウィングな」
みたいな感じでコッチの意思はまったく無視して
体育の先生と勝手に決めてしまった。
さてそのI君のラグビーのウィングに対する知識がどうだったか
僕には正解かどうかは怪しいもんだが
彼は大きな勘違いを最初からしていたはずだ。
だって僕は確かに足が遅い訳ではなかったが
とりたててブッチギリに早い訳でも無かったし
I君が僕に期待していたフェイントを含むフットワークも
あくまで僕の場合足元に丸いボールがあってこそ成立する
「またぎフェイント」や「キンタフェイント」に「クライフターン」と
手でボールを持っていると大して効果を発揮しない
って言うかまったく役に立たない技が殆どだったのだ。

そんなこんなで球技大会当日。
サッカー部の新入部員歓迎会で僕をイラっとさせまくった
いかにもがり勉タイプのメガネ君のクラスと対戦し
サッカーでは僕を止めるどころか
僕のボールに触れる事さえできなかったメガネ君に何度も止められ
最後にはタックルさえされてしまった。
僕にタックルを決めた後、起き上がる僕を見下ろすメガネ君のニヤケ顔が
あの楕円のボールを見るたびに思い出され
発狂しそうになってしまう程トラウマになってしまった。
ましてや楕円のボールを触るなんてもっての他。
2年生の時はその授業自体をサボりまくってしまう程
嫌な思い出しかないそのスポーツが僕の大好きなサッカーと同じ
フットボールと呼ばれている事を知り
楕円のボールにトラウマを抱え嫌悪感さえ抱いていた僕が
キライなのはそのスポーツではなく「メガネ君」だった
という事に気づくのは
それからまあ随分と後になってからのお話となるのです。

 

 

スクラムってキライ。
何が楽しくって野郎が肩を寄せ合って
ギュウギュウに押し合わなければならんのか。
顔が近い。
ケツを寄せるな。
だいたい僕はせっかくセレクションで受かった私学に
「女子いないし」
って言って行かなかったくらいなのに。

では横浜の先輩が企んでいたような男女混合のスクラムならいいのか?
いやいや、それでもきっと僕はアレはキライ。
だいたい僕はFWだったくせにゴール前に飛び込んで行きたくない一心で
必死にプレースキックの練習をしたくらいなのだから。
たとえ仮にもしも僕の隣が石原さとみちゃんだったとしても
かなりな割合でスクラムには参加しない。
どっかの誰かさんのように女装してまで参加しようなんて思わない。

絶対に。

 

アレなんて言う名前だっけ。
体育のラグビーの授業で付けさせられた頭につけるアレ。
誰が洗濯してるんだ?
いつ洗濯してるんだ?
てか本当に洗濯とかしてんのか?
って思えるくらい臭くて汚いアレ。

とりあえずアレがキライ。

臭くて汚い上に髪型がボロボロになっちゃうアレ。
アレをつけて1時間過した後に普通に授業にでるなんて絶えられない。
それくらいなら高校生活唯一の楽しみの体育の授業だって
喜んで欠席しよう。

僕にとってラグビーとはそんな感じだのだが、どうだろう?
みなさんにもラグビーと言うスポーツの魅力が
伝わってくれているだろうか?
そうラグビーとは、こんなイヤな思いをしても
肋骨にヒビが入ってその上に足の筋肉がどうかなっても
ついでに試合終わりに海に放り投げられても
来年もまた楽しみたいと思うような一生をかけて楽しめるスポーツなのだ。

 

人によってはね。